病院では、治療や看護の過程で患者さんに起きた望ましくない出来事(有害事象)を報告書にまとめ、出来事の重さで仕分けています。この仕分けをAIにやらせた研究が出ました。人の手で61時間ほどかかった報告書286件の仕分けが、AIだと4分47秒で終わりました。
ただ、AIの判定が専門家の最終判定と同じ区分になったのは、およそ半分でした。私は一致した割合よりも、AIの判定がずれた向きのほうが気になりました。AIのずれのうち臨床的に大事なものは、出来事を実際より軽く見積もる方向に偏っていたのです。
重い出来事が軽い区分に入ると、病院はその出来事の原因を調べて仕組みを直す機会を逃します。このずれ方を見ると、AIで仕分けを速くしても、重さの最終判定は人が持ち、AIが軽いとした報告書ほど人が読み直すべきだと考えます。
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