オプジーボの副作用―間質性肺炎―

PD-1抗体のひとつであるオプジーボ(一般名:ニボルマブ)は、メラノーマ(悪性黒色腫)に対して第一選択薬として使われています。

オプジーボは、メラノーマの患者さんの約40%に効果があると言われています。

しかし一方で、副作用が起きることもあります。

これまでの抗がん剤(殺細胞障害性抗がん剤)では、副作用として脱毛や吐き気などが一般的でした。

また、白血球が減って抗がん剤が注射できなかった、という話も聞いたことがあるかもしれません。

オプジーボの副作用は独特です。

これまでの抗がん剤とは違う副作用が出現します。

順次解説していきますが、間質性肺炎、腸炎、甲状腺機能異常、下垂体機能異常、I型糖尿病、薬疹などがあります。

今回は、間質性肺炎を取り上げたいと思います。

間質性肺炎とは?

肺は肺胞と呼ばれる小さな袋がぶどうの房のように集まって出来ています。

吸い込んだ空気(酸素)は気管支から肺胞へと入り、肺胞の壁から血液に取り込まれます。

間質性肺炎は、この肺胞の壁やその周辺に炎症を起こし、酸素と二酸化酸素の交換が出来なくなる疾患です。

間質性肺炎の具体的な症状

発熱

息切れ(少し動いただけで息切れする)

空咳(痰が出ない咳)が出る

上記のように、風邪に似たような症状が出ます。

間質性肺炎が起きる頻度は、同じオプジーボを使っていても、癌の種類によって変わります。

メラノーマの場合、2.9%の人(100人に3人くらいの人)が間質性肺炎を起こします。

肺がんでオプジーボを使用した場合は割合が上がり、5.4%(100人に5人くらいの人)です。

同じ薬を使っていても副作用の頻度が違うのは不思議です。

間質性肺炎が出現するタイミングですが、早い人はオプジーボ投与した次の日から症状が出る人もいます。

これまでの報告では1年以上経ってから副作用が出た人もいるため、最初に副作用が出なかったからと言って安心せず注意が必要な副作用です。

オプジーボを使って治療中の患者さんは注意が必要です。

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