メラノーマは独身に比べ既婚者の方が早期発見されやすい!?

メラノーマ(悪性黒色腫)は進行すると治療が難しい場合も多いですが、早期の段階で発見出来ればそれほど怖い病気ではありません。

気になるホクロは早めに皮膚科専門医に診てもらった方が良いと個人的には思っています。

さて、メラノーマの早期発見に結婚が重要であるという面白い論文が出ました。

メラノーマは既婚者の方が早く見つかりやすい!?

これは、2018年5月に発表されたJAMA Dermatologyという皮膚科雑誌からの論文です。
(doi:10.1001/jamadermatol.2018.0233)

2010年から2014年に早期の悪性黒色腫と診断された約5万人のデータの解析から、既婚者、非婚者、離婚者、死別者にわけて解析しています。

この結果、メラノーマが進行してから発見される可能性は既婚者に比べ、

死別者は約70%高い
離婚者は約38%高い
非婚者は約32%高い

という結果になりました。

この結果から、メラノーマを早期で発見するためには、観察する目が多いほうが良いということを筆者らは伝えています。

背中に出来た怪しいホクロは、自分自身ではなかなか気づくのが難しいですが、パートナーがいれば見つけやすいということだと思います。

もちろんこの論文では、年齢により影響(高齢者の方がメラノーマになりやすく死別者も多い)や性別(男性か女性か)による違いなども考慮して、上記の結果を報告しています。

当たり前のことですが、沢山の目(特にパートナーの目)でよく観察するのが大事ということを科学的に証明した論文ですね。

さて、細かなことですがこの論文に関して気になる点が2つあります。

1つ目、ストレスの影響はない?

死別者の方に進行したメラノーマが多いのは、論文の通り観察する目が減ったことが原因と考えられますが、死別のストレスの影響もありそうです。

ただ精神的なストレスを組み入れて解析するのはなかなか難しい。。。

2つ目、日本人にも当てはまる?

以前の記事で日本人のメラノーマは手足に出来るものが半分近くあると書きました。

パートナーが背中のメラノーマに気が付きやすいことはなんとなく想像出来ますが、足の裏をじっくり観察することは少ないと思います。

日本人で解析して同じようなデータが出るか興味のあるところです。


以上、2つほど気になる点をあげましたが、メラノーマは早期発見が非常に重要なことには変わりありません。

観察者の目が多い方がメラノーマの早期発見につながることは非常に納得です。

誰かにチェックしてもらうのはもちろん大事ですが、なにより自分自身で自分の皮膚をしっかり観察することが重要です。

特に、足の裏は普段見ない部分だと思いますので、月に1回くらいはお風呂上がりにチェックしてみても良いかもしれません。

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